温度差

スペシャルなケーキがあるらしいんですよ。受注製作オンリーなケーキが!」

同僚が熱く語ってきたのは、そんなスペシャルケーキの話。何でも、この辺では老舗の洋菓子店でホールで販売されているらしいそのケーキは、大々的な宣伝もなくひっそりと販売されているらしい、のです。ひっそり販売なのになかなかの人気商品らしい、のです。

甘いものをこよなく愛する私がその話を聞いて黙っているはずもなく。何、その「俺、超美味いぜ」的な販売展開!何、その「その辺の奴らと一緒にするなよな?」的な販売展開!何、その「手に入れる為には、お前にもそれ相応の努力してもらわないとな」的な販売展開!こんな話を聞いてそ知らぬふりができようか?ごめん、無理。

つ〜わけで、同僚5人と共同購入することになりまして。注文するとなると受取日を決めなくちゃいけないんだけど、ウチの職場は勤務時間がバラバラなので5人揃うなんてありえないのですよ。しょうがないので、それでも一番人数が揃う日に設定することに。その日は私がお休みでした。


「一番楽しみにしてたのに、いいの?本当にいいの?」
「いいですよ〜。どうしても食べたくなったら、それだけの為に出社しますから」


ま、実際はそれだけの為に出社しませんでしたけど。気付いたら夕方でしたからね。

で、次の日。第一声が「ケーキの為に出社しました。ケーキが今日の心の支えです!」だった私に、共同購入者の1人が前日の様子を語ってくれたのです。


「1人、2piceになったんだけどね。」
「ふむふむ。」
「みんなお腹いっぱいで。1つ食べるのがやっとで、半分持ち帰ったよ〜」
「へ?持ち帰る??あ〜、みんな少食だからか〜」
「いやいや。お昼食べた後はさすがにお腹いっぱいになるっしょ?」
「……!!」


あれか。世の中的に、ケーキは食後のデザートなのか!「今日のお昼はスペシャルケーキ〜♪」とか歌いながら、「ケーキあるからお昼はいっらな〜い」とか思いながら、お茶片手に出社ってのが普通じゃないのか!うっわ〜、そうか、そうなのか…。ちょっとマジでビックリした……。

2piceペロリと完食です。いやぁ、本当に美味しかった。満足、満足。