瞼の母

パブリックシアター

というわけで。27日の「瞼の母」を世田谷パブリックシアターにて。
とりあえず、ですね。短かった!なんか、ものっそもったいないなって。1時間30分で終わらせるの、ものっそもったいないなって。
つまり、もっとじっくり観たかったのデスよ、私が!せっかく芸達者な方たちがいっぱいだったので、ゆっくりがっつり観せてほしかったって。
以下覚書。
大竹しのぶさんと高橋克己さんのやり取りはさすがの迫力で、もっと見たかったなぁって思ったし。席がかなり前でステージが思いのほか近くて、おかげで細かいところも結構見ることができたんだけど、大竹さんの裾さばきやキセルの扱いも本当に素敵で感心というか感動しちゃったし。(あとどうでもいいことなんだけど、高橋さんが思いのほか大きい人でビックリ!という)(小柄なイメージがなぜかね)(なんでだろ?)
篠井さんの老婆も凄かったし。や、ホント観劇できてよかった。走ってよかった。疾走、万歳…!
サナギさんの忠太郎は期待通りでした。というか、舞台に本当にひきこまれちゃって、夢中で最後まで見ていたので、改めて感想残しておこうと思い返してもよかった…!しか言葉が出てこないという…。最初のおむらに母の姿を重ねてる姿でもうぐっときちゃったし。前半は母の姿を重ねて優しい忠太郎が基本だったので、時々凄む姿にはドキッとしたし。大竹さんとのやり取りの頃にはすっかりひきこまれて、本当に夢中で観てました。おとらとのやり取りもよかったな、うん。
個人的に印象に残ってるのは「親に捨てられた子をグレたって叱るのは勝手じゃないか(意訳)」ってやり取り、デス。なんかちょっと泣きそうになった。瞼の母の件よりぐっときたのでした。忠太郎とおはまのやり取りがすっと入ってきたから、なのかなぁ。
舞台セットで大きな桜があったんだけど、それもものっそ印象に残ってます。凄い迫力で凄くキレイだったので。そんな桜を背景に母と子の切ない再会が展開されたのがなんだかとっても悲しかったなって。

あとアレですよ!最後に客席から結構雰囲気のある男性の声で「よ!クサナギ!」「大当たり!」って掛け声(大向こう*1)が入って、題材も題材だったので、掛け声がかかった瞬間、昔の芝居小屋で観ているような気分になりました。小さな芝居小屋にいるような気分になったデス。予備知識なしで観劇していたのでてっきり演出の一部かと思ってたんだけど、どうやら違うらしく。なかなかできない経験ができて、ちょっぴり得した気分でした。
でもああいう時って役者の名前を叫ぶんだね。私みたいな素人は「よ!忠太郎!」の方がしっくりくるような気がしたんだけど、役者さんに呼びかけるんだから役者名なのか。面白いなぁ。

*1:参考:ttp://www2.rosenet.ne.jp/~spa/kabuki/index.html